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礼拝説教 お着物にさわることでもできれば、きっと直る

2024年05月15日

先を急ぐイエス様でしたが、大勢の群衆に囲まれながらその足取りは遅々とした歩みだったかもしれません。混雑の中、人々をかき分けるように進んでおられたでしょう。そんな中、一人の女性が群衆に紛れ込みながら、イエス様の着物の裾に触れました。するとその途端、イエス様の内から力が抜けていったのを、イエス様ご自身がからだに感じられたと言います。その力は彼女の体を癒し、12年間患っていた長血の病から回復することができました。

ところで不思議ではありませんか?大勢の群衆がイエス様に押し迫り、イエス様に触れたはずです。しかしそうだとして、イエス様の体から力が抜けていくことはありませんでした。ただ信仰によってイエス様に触れたこの女性のときにだけ、イエス様から力が流れ出たのです。

信仰の力は偉大です。信仰は神からの恵みを受け取る通路です。この女性は世にあって多くのことに絶望し、自分の病を直せない現実の中に苦しんでいました。しかしそんな絶望と孤独の中にさえ、彼女はただイエス・キリストならば私を癒すことができるとますますその信仰と期待を強くしていたのです。「お着物にさわることでもできれば、きっと直る」、こんな切ない信仰をもって、神の子であるイエス様の前に彼女は進み出たのです。

この女性の現実を考慮すれば、大群衆の前に現れることも、イエス様の前に進み出ることも勇気がいることでした。しかしイエス様に対する信仰は彼女に大胆な心を与えました。その願いの通り、彼女はイエス様に触れたのです。そして彼女の信仰の通りに、彼女は癒されました。イエス様の力が、彼女に現れたからです。

世の中にも、また自分自身にも絶望し苦悩の中に生きておられる方はいますか?そのような世の中に、神が救い主イエス・キリストを送られました。その方こそ、私たちの希望であり、いのちの光です。その光は決して止むことがなく、今も太陽のように輝いています。主が皆様と共におられますように。ハレルヤ。

【抜粋】聖書箇所:マルコによる福音書5章25-34節 新改訳聖書第三版より

25 ところで、十二年の間長血をわずらっている女がいた。
26 この女は多くの医者からひどいめに会わされて、自分の持ち物をみな使い果たしてしまったが、何のかいもなく、かえって悪くなる一方であった。
27 彼女は、イエスのことを耳にして、群衆の中に紛れ込み、うしろから、イエスの着物にさわった。
28 「お着物にさわることでもできれば、きっと直る。」と考えていたからである。
29 すると、すぐに、血の源がかれて、ひどい痛みが直ったことを、からだに感じた。
30 イエスも、すぐに、自分のうちから力が外に出て行ったことに気づいて、群衆の中を振り向いて、「だれがわたしの着物にさわったのですか。」と言われた。
31 そこで弟子たちはイエスに言った。「群衆があなたに押し迫っているのをご覧になっていて、それでも『だれがわたしにさわったのか。』とおっしゃるのですか。」
32 イエスは、それをした人を知ろうとして、見回しておられた。
33 女は恐れおののき、自分の身に起こった事を知り、イエスの前に出てひれ伏し、イエスに真実を余すところなく打ち明けた。
34 そこで、イエスは彼女にこう言われた。「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して帰りなさい。病気にかからず、すこやかでいなさい。」



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